授業を絞ってもよいわけではないが
 予備校で自分に配当された授業のすべてに欠かさず出席した受講生と、途中から出席することをやめた、または一部の授業にだけ出席して他の授業は切ってしまった受講生との間には、合格率に格段の差があるのは間違いない。
 途中から授業にまったく出席しなくなるのは論外であるとしても、一部の授業を除いて他の授業を切り捨てるのは、すべての授業に出席する受講生と比べて入ってくる情報量が断然少ないので、その分だけ学力向上で劣り、従って合格する可能性が低くなるのは避けられない。
 それを考えれば、合格するためには、まずは「すべての授業に出席する」ことが必要条件であると結論してよさそうではあるが、必要条件ではあっても十分条件ではないので、ただ漫然と授業に出席するだけで合格が保証されるわけではない。
 逆に、「すべての授業に出席する」という必要条件を満たさなくても、学参をせっせと読んで独習することができる類まれなたくましい受験生なら、合格を勝ち取ることは決して不可能ではないどころか、すべての授業を漫然と受けるだけの場合よりもはるかに有利であることは否めない。
 そういうタイプの元受講生に昨日会って話をしたが、何しろ夏休み前に学参を何万円分も買ってきてそれを夏休み中に全部読んだくらいの筋金入りだから、ふだんの授業に根気よく欠かさずに出席していたのかと思いきや、意外にも聴く授業をかなり絞っていたことを聞かされて驚いた。
 ところが、その絞り方がふつうとは真逆で、大多数の受講生が「よくわかる」と評する授業は切り捨てて、難しいからよくわからないという理由で忌避されがちな授業を選んで聴いていたという。
 学力不足の上に予習が不十分でも理解できる楽な授業だけを選んで聴く受講生が少なくない中にあって、そういう授業には見切りをつけて、予習が必須の厳しい授業ばかりを好んで聴くというところがさすが違うが、天邪鬼(あまのじゃく)の道場主自身も受験時代は同じようなところがあったなあと懐かしく思い出された。
 楽な授業だけを選んで自分を甘やかすか、それとも逆に厳しい授業を敢えて選んで自分を鍛えるかで、結果が大きく違うのは当然といえば当然に違いない。

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